桃色アルバム
「終わったぜ」

あちょうどシートをたたみ終わった頃、しぼんだ浮き輪を持った渡部と崎野が歩いてきた。

「女子は先に着替えとくってさ」
「俺らも早く着替えにいこうぜ」

渡部が荷物を持ち上げ、歩き出す。

「もっと遊びたかったな」
「ガキみたいなこと言ってんじゃねえよ」

崎野に笑われたが、ケイタはこの場所で仲間と遊んで痛かった、と思った。

「来年また行こうぜ」

ケイタの思いを読み取ったのか、上野が背中を押しながら言ってきた。

「またみんなで、だ」
「・・そうだな」


笑いながら歩く男子の背中を、沈みかける太陽が照らしていた。
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