桃色アルバム
「ゆりかが・・抜けるんだって」
「は?」
「だから、ゆりかに関わるなって言われた」
「いきなりなんで・・・」

上野も不思議そうに首をかしげている。

「わけわかんねえよ」
「早く行ってみんなに相談しようぜ」

そう言って、2人同時に走り出した。


学校に着くと、くつ箱でさとこがうわぐつに履き替えていた。

「さとこ」
「あ、間宮、上野。めずらしいじゃんか、間宮がこんなに早く来るなんて。あたしゃ見直したよ」

ニヤリと笑ってケイタを見る。

「あのさ、川嶋たち来てるか?」
「ああ、うわぐつないから来てるんじゃないのかい」

さとこがとなりの2組のくつばこを見ながら言った。

「じゃあ、丁度いいや。みんな集めるの手伝ってくれ」
「いいけど・・」

さとこはいまいちワケが分からない、という顔でついてきた。
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