桃色アルバム
その日の授業中、ケイタはずっとそわそわしていた。

ゆりかの様子を早く知りたくて、ずっと時計ばかり見ていた。
川嶋が報告は放課後してもらう、と言ったばかりに、放課後までケイタはドキドキするはめになった。


こう時計ばかり見ていると、なかなか針が進まない。
それに腹正しくなり、足をバタバタさせて怒りを紛らわせようとしていた。

毎時間、時計ばかり見ているので休み時間川嶋に「もうちょっと落ち着け」と怒られた。


そうして、長い6時間が終わり、神桜の下に6人が集まった。


「あの女、来るのか？」
「来ると思うよ。ちゃんと言っといたし」

5分くらいたったか、先ほどの女の子が走ってきた。

「あの、ごめんなさい・・掃除当番で遅れてしまって・・」
「大丈夫だよ。ゆりかのこと、分かった？」
「あ、はい。何か、いつも一緒にいるクラスの女の子たちにハミられてるみたいで・・・」

そこまで遠慮がちに言った時、ケイタたちは顔を見合わせた。
< 135 / 216 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop