桃色アルバム
ベッドの上でドンを腹に乗せ、頭をなででやりながらケイタはボーとしていた。

―ほんとに、ゆりかはあんなこと思ってるのかな

ケイタは、この間行った海でのことを思い出した。

『私も、みんなといると楽しいよ』

一緒にゴミを捨てにいったとき、確かにそう行った。
すごく幸せそうに笑いながら。

あれは偽りだったのだろうか。

―そんなはずはない。


ぶんぶんと頭を動かすと、うとうとしていたドンが驚いて小さな体をおこした。

「ああ、ごめんな、ドン」

また頭をなでてやると、安心したのか再びケイタの胸に顔をおとした。
< 139 / 216 >

この作品をシェア

pagetop