桃色アルバム
「てか、聞いてくれよ」

渡部がケイタの上でしゃべりだした。

「どうしたんだ?」
「さとこがさ。ぜんぜん元気ねえんだ。考え事してるみたいなんだけどよ・・」
「ゆりかのことだな。あれはいくらさとこでもショックだろうよ」

「なんとかなんねえのかな」

川嶋と上野が頭を抱えた。



「ん、あれゆりかじゃねえ?」

崎野が窓から外を見て言った。
とたんに上野たちが窓に集まる。

ケイタも少しおくれて外を見た。

「あんな人気のねえとこで何やってんだ?」
「何か持ってるぜ」

視力のいい渡部が身を乗り出す。
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