桃色アルバム
「でさ、盛り上がってるときに悪いんだけど」

川嶋がきりだした。

「どうしたんだ、川嶋。さとこも怖い顔しちゃって」

「今日、俺のくつばこに手紙が入ってたんだ」
「なんだよ、そんなのほぼ毎日だろ」

崎野が皮肉をとばす。

「それが、あて名がさとこだったんだ」
「は?」
「なに、さとこ。川嶋にラブレター書いたの?」
「んなわけないじゃん。あたしじゃないよ」


「手紙の内容がおかしかったから、さとこに確認したんだ。じゃあやっぱりさとこじゃなかったってワケ」

「ニセラブレターか?」

「しかも、その中にさとこの体育の授業のときの水着姿の写真が入ってた」
「マジで」
「川嶋、その写真まさか大事にとってあるんじゃないだろうな」
「まさか。さとこに渡して処分してもらった」

さとこを見ると、そうだよ、というようにうなずいた。

「誰の仕業だ?」
「新しい事件だな」

崎野がおもしろそうに言った。

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