桃色アルバム
「間宮ー」

通学路を歩いていると、うしろから川嶋が走ってきた。


「おー川嶋」

みだれた息をととのえ、汗だくの川嶋をうちわで扇いでやった。

「さんきゅ」
そう言って、自分もカバンからうちわを取り出し扇ぎだした。


「今日は早いじゃないか」
「まぁな。あーあ、何かおもしれえことねえかな」
「昨日の崎野と同じこと言ってら」

川嶋に笑われ、「そうか」と首をひねった。


門をくぐると、前に渡部が歩いていた。

「渡部」
「おー」

渡部が立ち止まり、追いついたケイタたちのとなりを歩いた。

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