桃色アルバム
「さとこ、こわっ・・」

ブル、と川嶋が身震いする。

「まだキレてないだけマシだよ」
「あ、あれキレてないのか?」

上野が驚いてゆりかを見た。

「ぜんぜん。キレたらもっと怖いよ。鬼になっちゃう」

何を思ったのか、ゆりかの顔が真っ青になった。

―キレたところ、見たことあるのか?

そう言いたかったけど、ゆりかの顔を見てやめた。



「まぁ、命がおしかったら逆らわないことだな」

渡部もそういい残して、ゆりかと教室へ戻った。


取り残されたケイタらも、顔を見合わせ、歩き出した。
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