桃色アルバム
「しかも、デジカメだからすぐ見れるね」

ゆりかがピッと写真をボタンを押し、写真を見た。


「顔、バッチリ撮れてるじゃねえか」
「こいつ、誰だ?」
「あ、俺のクラスのやつだ」

崎野がのぞきこみ、声を上げた。


「てことは、4組か。崎野、こいつ何て名前だ?」
「朝日なぎ。結構おとなしい女子だぜ」
「じゃ、今から読んできてくれない?」

そう言うさとこの目は怒りであふれていた。

手には、封筒の中身を持っている。

「さとこ、何だそれ?」
「消しゴムとか、キーホルダー。あたしがなくしたと思ってたやつだよ」


その声は低く、ケイタはことばを失ってしまった。


「じゃ、よんでくるぜ」

そう言って走り出すと、1分もかからないうちに一人の女子を連れて戻ってきた。
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