桃色アルバム
「・・ごめんなさい」
「ぼくは別に気にしてないよ。それより、さとこに誤ったほうがいいかな」

川嶋に言われて、なぎがさとこの方をむく。
さとこの目を見て、またうつむいた。

「いっとくけどね」
そんななぎを見て、さとこが言った。

「あたしは、川嶋とやましい関係じゃないから。こいつらとはただの親友。それ以上でもそれ以下でもないよ」

そう言うさとこの声が、さっきと打って変わり優しかった。


なぎは顔を上げ、「こんなことしてしまって、ごめんなさい」と言った。


「気にすんなって」

そう言ってバン、となぎの背中をたたくと、なぎが笑顔を見せた。

そのとき、朝練を終えた野球部がぞろぞろと入ってきた。

「じゃ、この話はこれでおしまい。戻っていいよ」

ゆりかが言うと、なぎは戻っていった。
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