桃色アルバム
「にしても、これは計算外だったな」

崎野がポツリと言った。

「何が?」
「さとこのことだから、殴るかと思ってひやひやしたよ」

「バカだね。あたしゃ成長してんだよ」

そう笑いながら、バンと崎野の背中をたたいた。

「うそつけ、ぜんぜん成長してないじゃねえか。成長してんのは身体だろ」
「言ったね、エッチ」

「そういう意味じゃねえ」

さとことゆりかが崎野をいやな目で見ると、崎野が怒鳴った。


「おいおい、おまえそんな目で女子のこと見てたのかよ」

うしろから渡部が崎野の首に手をまわす。

「違うって言ってんだろ」
「ムキになるところが怪しい」

川嶋もよこから入った。
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