桃色アルバム
だけど、思ったことがそう実現するわけではない。

ケイタの思いもむなしく、次の日もそのまんまだった。

廊下で会っても、誰も口をきかない。

ケイタも、昨日ああは思っていたものの怒りはまだおさまっていなかった。
実際、顔を見るたびに怒りがこみあげてくる。


何度か目があっても、お互いプイとそっぽをむくわけで、状況は悪化してしまったのだ。


ちょうど今日は4時間だ。
給食を食べ終わるとすぐに、解散した。

ケイタはゆっくり階段をおり、くつ箱に向かう。
した靴に手をかけると、カサ、と何か感触がした。

くつの中に手を入れると、折りたたんだ小さな紙が入っていた。

『1時半、大向公園』

ただそれだけワープロ書かれている。

―誰だろう。

疑問に思いながら、無視しようと思ったが家に帰ってもヒマなので行ってみることにした。
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