桃色アルバム
「あ」

家に帰らず大向公園へつくと、そこには上野がいた。

ケイタも上野も、驚いた表情で互いを見ている。
だけど、ことばは交わさない。

お互い同士、ケンカはしていないものの、なんとなく気まずい空気がながれた。
そこへ、ゆりか、渡部、崎野、さとこと次々に公園へ足を踏み入れる。


それもまた驚いた顔をし、何も言わずに突っ立ったままだった。

大向公園はやたらとせまく、そんなにお互いはなれることもできない。
だが、できるだけ離れようとみんなすみのほうへ足を運んだ。


ケイタは川嶋がいないことに気がついたが、ずっと黙っていた。
川嶋がいなくても、何もおかしなことはない。
偶然、ケイタの仲間がよばれただけなのかもしれないのだから。


ため息をつきながら横にあった小さなベンチに座ると、何か踏んだような感じがした。
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