桃色アルバム
「『みちようちえんへこい』って書いてある」

「みちようちえんってもしかして・・」

渡部が上野の顔を見た。

「ああ。たぶん、『美知幼稚園へ来い』だ」
「すげえじゃん、崎野!」

ケイタが言うと、崎野はすっかり照れた。

そのとき、みんながケンカしていたことを思い出した。


気まずい空気が流れる。

そのとき、ゆりかがふうと息をはいた。

「これ、協力しないと川嶋助けられなさそうだね」
「ああ、俺だけじゃ暗号とけなかったからな」

ケイタが笑うと、ゆりかが手を出してきた。

「ごめんね、間宮」
「俺こそ」

その手をしっかり握る。
< 175 / 216 >

この作品をシェア

pagetop