桃色アルバム
「はよ。崎野と上野が一緒なんて、珍しいじゃん」
「ああ、さっきそこで会ったんだ」
「さとこと間宮が一緒なのも珍しいな」

崎野がケイタとさとこの顔を交互に見た。

「あたしらもそこで会ったんだ」

「それにしても、寒ィな」

上野が顔を空に向ける。


「今日で2年も終わりだな」
「いろんなことがあったよな」

崎野が思い出しているのか、目を瞑った。

「3年になっても、よろしくな」
「こちらこそ」
「また、いろいろしようぜ」

門の前までくると、木々が枝いっぱいに桜の花を咲かせていた。

「今年は咲くの早いな」

「神桜、見に行こうぜ」

ケイタは言うなり走り出していた。
あとから上野たちもついてくる。
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