桃色アルバム
それからのことはあまり覚えていない。


走り出して、母親に名前を叫ばれて・・・・

自分がどの道を走ったかすら忘れていた。


気がつくと、汗だくで病院の中にいた。


「間宮!!」

渡部たちが駆け寄ってくる。
みんな汗だくだ。

きっと、ケイタと同じように走ってきたんだろう。

「みんな!!」

うしろからゆりかの声が聞こえた。

肩で息をしている。
足をもつれさせながら、なんとかケイタのそばまで来た。

その目には、涙が浮かんでいる。

「上野は・・・っ!?」
「今、集中治療室にはいってる」

お調子屋の崎野の声がひどく暗い。

みんな、こぶしを握り締めていた。
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