桃色アルバム
パッと目を開けると、自分の部屋だった。

身体を起こし、見回す。
ドンがベッドのとなりで寝転んでいる。

―夢だったのか・・?


そう思い、下へ降りると母親が駆け寄ってきた。

「ケイタ、大丈夫なの!?」
「何が?」
「病院のあと・・迎えに行ったら急に倒れたものだから・・お友達も心配してくれてたのよ」


あぁ。
―夢じゃなかったんだ・・・・
 上野は、事故にあった。



その現実が、ズシンとケイタの胸にのしかかった。


そのとき、また電話がなった。

とんでいって受話器をとる。

「はい・・っ」
『ケイタ?!今から病院に集合!!わかったね!』

さとこが早口でそれだけ言って電話を切った。

ケイタは、母親が止めるのも聞かず、走り出した。
< 188 / 216 >

この作品をシェア

pagetop