桃色アルバム
病院についた頃にはくたくただった。

重い足をひきずり、イスに座っているみんなのところまで行く。


「間宮!!」
「わりぃ、おくれた・・・・」
「いや、大丈夫だ。行こうぜ」

そう言って立ち上がり、渡部は肩をかしてくれた。


上野は、ガラスの向こうで眠っていた。
上野の両親が話しているのが聞こえる。

「・・・・ですから、まだ、意識不明の状態で・・・・・」


ケイタはぼんやりとガラスのむこうの上野を見ていた。
ほかの仲間もそうだった。

みんな、まだ頭がついていけない。


どうして昨日まで笑っていたあいつが、管をたくさんつけて眠っているのか。
なぜ、あんなに傷だらけなのか。


となりで、ゆりかが肩を震わせているのに気がついた。
< 189 / 216 >

この作品をシェア

pagetop