桃色アルバム
「おまえら、何で笑ってんだ?」
「いや、渡部たちがいてよかったなと思ってさ」


川嶋が言いながら渡部を見ると、きょとんとした顔をかえした。

ほかのみんなも同じだ。

それがおかしくて、ついまた笑ってしまった。



「おまえら、頭どうかしちゃったんじゃないのか?」
「失礼なこと言うな。正常にうごいてるよ」

頭のことを言われ、ついケイタはムキになってしまった。

すると、今度は崎野たちに爆笑された。



「なんでそこで笑うんだ」

頬を膨らますと、さらに笑いがはげしくなる。

看護婦に注意され、やっとおさまった。

その光景を、上野の母親がほほえましく見ていた。
< 199 / 216 >

この作品をシェア

pagetop