桃色アルバム
「じゃあ、またきます」

そう言って、ケイタたちは病院をあとにした。


「あと2日で春休みも終わりだな・・・」

外はもう暗くて。
川嶋のはいた息が白いけむりとなり夜空へ消えていく。


「早いもんだな」

渡部が暗い夜空に散らばる星を見上げる。


「私たちも受験生かぁ」
「高校、離れちゃうね」

「ばか、そんなこと考えんな」

ケイタが言うと、さとこが「ごめん」と笑った。


「来年は、もっとおもしろくしようぜ」
「内申があるよ」
「かまうもんか」

渡部らしいな、とみんなが笑った。




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