桃色アルバム
「ねえ」

みんなの別れの道へとさしかかろうとしたとき、さとこが言った。


「今日、あたしん家とまらない?」
「え、いいの?」
「今日、親がふたりともいないんだ」

「別にいいけど・・・俺らも行っていいのか?」
「男女不純異性交遊とか言われないかな」

「また、川嶋は難しいことばつかう」

さとこに頭をつつかれて、川嶋は苦笑いした。



「別にいいんじゃないか。じゃあ、さとこの家で電話借りるよ」
「そうこなくっちゃ」


ケイタが言うと、さとこがニッコリする。



「今夜は、遊びまくろうぜ」
「枕投げしようよ」
「ゆりかはガキだな」
「もし寝たら、カメラのフラッシュが襲うぜ」


笑いながら、夜道を歩く。

子供たちの明るい笑い声が夜空に響いた。
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