桃色アルバム
「間宮!」

そんなケイタのうしろで川嶋が叫んだ。


前にまわり、ケイタの両肩をつかむ。

「上野は大丈夫だ。だから落ち着け!」

そういう川嶋の顔も真っ青で。
自分も混乱しているはずなのに、ケイタを落ち着かせようとしていた。



「・・ああ」

川嶋と渡部がケイタを支え、なんとか着替える。

そこへ、バタバタと荒々しい音をたてながら2階から着替え終わったさとこたちが走ってきた。


「準備できた!?早くいくよっ」






渡部とさとこを先頭に、全員でさとこの家をとびだした。



眠れない夜にふと頭をよぎったことが今、現実になって少年たちの心にのしかかってきた。
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