桃色アルバム
そこには、仲間たちが立っていた。


渡部、川嶋、崎野、ゆりか、さとこ。


どの顔も必死になみだをこらえていて。

それでもケイタに笑顔を向けている。

”泣くな”と。




―はじめてだった。

こんな自分を受け入れてくれたヤツは。

こんな自分に、声をかけてくれたヤツは。

同じ意見を、もつやつと出会えたのは。



それは、全部、おまえがいたから。

おまえがいたから、こんなおもしろいヤツらに出会えたんだ。

こんなにも、心をひらけた。



全部、おまえが残してくれた遺産なんだな。
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