桃色アルバム
「おい、間宮」
昼休み。
担任のカバに呼ばれて振り向く。
カバこと伊藤は、胴体がでかく、短足で鼻の下がのびているというマヌケな顔をしている。
あくびをすると馬鹿でかい口が現れるので、みんながカバとよんでいた。
「なんですか?」
「お前、今日遅刻しただろ。ここんとこ毎日じゃないか。何かあったのか?」
(昨日の今日じゃないか・・・)
「何でもありません。寝坊しただけです」
「うそだな。お前はクラスに全然溶け込もうともしない。イジメか?言ってみろ。イジメがあるんだな?」
ケイタはしつこく聞いてくるカバにうんざりしながらため息をついた。
「ほら、またため息だ。正直に話しなさい。先生がなんとかしてやるから、なっ。あ、もしかして山崎たちか?あいつら体ごついしな」
教師というのは、何でこうなんだろう。
自分の思い通りの言葉を吐かせるまで攻め続ける。
そして最終的には勝手に決め付ける、だ。
いじめのことだって。
無理やり仲直りさせて一件落着。
大人がいるから思ってることが言えないのに、勝手に意見なしと決めつけて。
そして自分はすごいんだと生徒の前でカッコつけて廊下をふんぞり返ってのし歩く。
(いい加減にしてくれよ・・・)
つばを飛ばしながら迫ってくるカバから目をそらし、ため息をついた。
「ちょっといいですか、先生」
背後から声が聞こえてきた。
振り向くと、ケイタと同じくらいの背丈の男子が立っている。
昼休み。
担任のカバに呼ばれて振り向く。
カバこと伊藤は、胴体がでかく、短足で鼻の下がのびているというマヌケな顔をしている。
あくびをすると馬鹿でかい口が現れるので、みんながカバとよんでいた。
「なんですか?」
「お前、今日遅刻しただろ。ここんとこ毎日じゃないか。何かあったのか?」
(昨日の今日じゃないか・・・)
「何でもありません。寝坊しただけです」
「うそだな。お前はクラスに全然溶け込もうともしない。イジメか?言ってみろ。イジメがあるんだな?」
ケイタはしつこく聞いてくるカバにうんざりしながらため息をついた。
「ほら、またため息だ。正直に話しなさい。先生がなんとかしてやるから、なっ。あ、もしかして山崎たちか?あいつら体ごついしな」
教師というのは、何でこうなんだろう。
自分の思い通りの言葉を吐かせるまで攻め続ける。
そして最終的には勝手に決め付ける、だ。
いじめのことだって。
無理やり仲直りさせて一件落着。
大人がいるから思ってることが言えないのに、勝手に意見なしと決めつけて。
そして自分はすごいんだと生徒の前でカッコつけて廊下をふんぞり返ってのし歩く。
(いい加減にしてくれよ・・・)
つばを飛ばしながら迫ってくるカバから目をそらし、ため息をついた。
「ちょっといいですか、先生」
背後から声が聞こえてきた。
振り向くと、ケイタと同じくらいの背丈の男子が立っている。