桃色アルバム
「あれで、どんだけ内申があがるかわかってんのか?」
今度は、池浦だ。

「ほんのちょっとじゃねえか。それがどうしたってんだ」
「今までおれたちは、その自由研究で誰にも負けたことねえんだ」

そういえば1年のとき、イヤというほど発表させられた。
その度に水野たちのグループが表彰されていた・・気がする。

「それを、おまえらみたいなヤツらに負けるなんて・・しかも、不良が2人も入っているってのにだ!!」

ビシッと吉田が渡部とさとこを指差す。
それに、ふたりはカチンときたようだった。

「だれが不良だ。それに、不良がはいってるチームが表彰されるのは、そんなにおかしいのかよ」
「あんた、ナメてもらっちゃ困るね。いい加減にしないと、そのほっそい腕へし折るよ」

ふたりの殺気のこもった低い声に、思わず吉田が後ずさる。


「と、とにかくだ!おまえらが表彰されるなんて俺たちは認めねえぞ」
「もう一度勝負しろ!!!!」

「はぁ?」
7人一同、マヌケな声を出してしまった。

「いいか、先生に許可をもらってもう一度おれら2グループだけで発表バトルすんだ。それで、勝ったほうに表彰状がもらえるようにする!!」
「ま、今回のはまぐれさ。せいぜい俺たちの実力を思い知るんだな」

そう7人は勝手に決め、高々と笑って去っていった。

ケイタたちは、ポカンとしながらその後ろ姿を眺めていた。

沈黙が続く中、上野がポツリと言った。


「世の中には、へんなことに命かけるヤツがいるんだな・・」
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