桃色アルバム
校舎のほうから、「川嶋くーん」という黄色い声が聞こえてきた。

「さすが、モテる男はちがうぜ」
渡部が川嶋をひやかす。
すると、後ろから声が聞こえてきた。

「楽しくおしゃべりしてるヒマなんてねえぜ」

間一髪で川嶋と渡部がよけた。

「川嶋ぁ、渡部!!注意してくれよ」
崎野が声を張り上げる。

「ちょっと油断しただけだ!!そっちもがんばれよ!」
渡部も怒鳴り声をだす。

ケイタは、話している余裕などなかった。
さっきから、谷川に狙われてばかりいる。

谷川が手をのばしてきた。
ダメだ、と思ったとき、前に人影がみえた。
谷川は気づいていない。
ケイタは力を振りしぼり、おもいっきりカーブした。

すると、肝をぬかれた谷川が、人影と思いっきりぶつかった。
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