桃色アルバム
「いってぇ・・」
「ちゃんと前見ろよ、谷川」
ばっと顔を上げると、上野がニヤニヤして立っていた。
「サンキュー、上野!!!」
「おうよ」
向こうのほうで、ケイタが手を振っている。
「ちっ、しくじったぜ」
谷川は舌打ちすると、くるりと向きをかえて走っていった。
「はぁ、はぁ・・」
息づかいが聞こえ、うしろを振り向くと、ゆりかがヨロヨロと走ってきた。
「ゆりか、大丈夫か?」
「大丈夫、だよ。なんとかね」
ケイタにむかってニコリと笑いかける。
「はぁ、わたしもおにがよかったな。逃げなくてもいいじゃん」
「そのかわり、追いかけなきゃいけねえんだぜ」
「そりゃあそうだね」
そのとき、バンと背中をたたかれた。
驚いて振り向くと、さとこが半分怒りながら笑って立っていた。
「こら、あんたたち、笑ってる場合じゃないよ。ちゃんと逃げないとつかまっちまうよ」
それだけ言って、またもときた道を走っていった。
「それもそうだよな。じゃ、お互いがんばろうぜ」
「うん、つかまんないでよね」
そう言って、別々の方向へと走り出した。
「ちゃんと前見ろよ、谷川」
ばっと顔を上げると、上野がニヤニヤして立っていた。
「サンキュー、上野!!!」
「おうよ」
向こうのほうで、ケイタが手を振っている。
「ちっ、しくじったぜ」
谷川は舌打ちすると、くるりと向きをかえて走っていった。
「はぁ、はぁ・・」
息づかいが聞こえ、うしろを振り向くと、ゆりかがヨロヨロと走ってきた。
「ゆりか、大丈夫か?」
「大丈夫、だよ。なんとかね」
ケイタにむかってニコリと笑いかける。
「はぁ、わたしもおにがよかったな。逃げなくてもいいじゃん」
「そのかわり、追いかけなきゃいけねえんだぜ」
「そりゃあそうだね」
そのとき、バンと背中をたたかれた。
驚いて振り向くと、さとこが半分怒りながら笑って立っていた。
「こら、あんたたち、笑ってる場合じゃないよ。ちゃんと逃げないとつかまっちまうよ」
それだけ言って、またもときた道を走っていった。
「それもそうだよな。じゃ、お互いがんばろうぜ」
「うん、つかまんないでよね」
そう言って、別々の方向へと走り出した。