桃色アルバム
「伊藤先生!!」
飛び込んできた4組の担任、真崎の大声で、伊藤は飲みかけのお茶にむせてしまった。
「ゴホ・・なにがあったんですか?真崎先生・・」
「それが、うちのクラスの生徒が・・・・・」
まだ涼しい空気の中に汗だくの真崎の姿はぜんぜん似合わなかった。
「おにごっこを、しているんです」
「はい?」
いきなりの真崎の発言に、すっとんきょんな声をだしてしまう。
「ほかのクラスの先生たちはもう集まってますよ。早く、きてください!!」
そう言うが早いか、真崎はのたのたと走り出していた。
伊藤も、深くため息をつきながら後を追いかけた。