桃色アルバム
「おまえらだって、そいつが捕まりそうになったとき、足ひっかけたじゃねえか。おれらも同じことをしただけさ」

吉田がケイタを指差した。

「腹に少し、こぶしを入れてやったんだよ」
谷川が力強そうなこぶしを見せた。

じりじりとふたりは渡部に近づいている。
そのとき、さっきまで腹をおさえひざをついていたはずの崎野が、谷川と吉田の背後にそろそろと近づいているのが見えた。
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