桃色アルバム
帰り道。
校門から出ようとすると、昼休みにいた少年が立っていた。
「よぉ」
軽く手を上げ、ケイタに近寄ってくる。
「なんだよ。てか、お前だれ?」
「ひどいこと言うな。まず、昼休みに助けてやったこと。礼言わなきゃなんねえんじゃねえの?」
「・・・・・・・どーも」
小さく言うと、少年はニッコリと笑って言った。
「俺は上野たくや。お前と同じ中2だよ。去年同じクラスだったじゃねえか」
そうは言われても、ケイタには全然わからない。
教室でいてもいつも上の空だし、廊下もボーと歩いている。
何も興味がないからだ。
だから人の顔はぜんぜんと言っていいほど覚えていない。
「覚えてねえよ。俺は間宮ケイタ。お前、なんであのとき俺を助けたんだ?しゃべったこともねえのに」
「お前だから助けたんじゃねえよ。ただ、カバがむかついただけだ。勝手になんでも決め付けやがって。これだから大人はきらいなんだ」
顔をそらに向け、息を吐く。
「俺も、きらいだ」
ケイタがぼそりと言うと上野はこちらを見た。
「大人だけじゃねえ。テレビゲームも、カードゲームも、サッカーも野球もテニスも何もかもだ」
投げやりに言うケイタを上野はじっと見ている。
「それに・・・・塾やら何やら通って、大人の言いなりになってるガキもだ」
そう言うと、足元の空き缶をカン、と蹴った。
「なんだ、お前、結構明るいやつじゃん。いいやつ!」
笑いを含めて言う上野をケイタは驚いて見た。
「俺たち、気が合いそうだぜ」
そういって、ギュッとケイタの手をにぎった。
校門から出ようとすると、昼休みにいた少年が立っていた。
「よぉ」
軽く手を上げ、ケイタに近寄ってくる。
「なんだよ。てか、お前だれ?」
「ひどいこと言うな。まず、昼休みに助けてやったこと。礼言わなきゃなんねえんじゃねえの?」
「・・・・・・・どーも」
小さく言うと、少年はニッコリと笑って言った。
「俺は上野たくや。お前と同じ中2だよ。去年同じクラスだったじゃねえか」
そうは言われても、ケイタには全然わからない。
教室でいてもいつも上の空だし、廊下もボーと歩いている。
何も興味がないからだ。
だから人の顔はぜんぜんと言っていいほど覚えていない。
「覚えてねえよ。俺は間宮ケイタ。お前、なんであのとき俺を助けたんだ?しゃべったこともねえのに」
「お前だから助けたんじゃねえよ。ただ、カバがむかついただけだ。勝手になんでも決め付けやがって。これだから大人はきらいなんだ」
顔をそらに向け、息を吐く。
「俺も、きらいだ」
ケイタがぼそりと言うと上野はこちらを見た。
「大人だけじゃねえ。テレビゲームも、カードゲームも、サッカーも野球もテニスも何もかもだ」
投げやりに言うケイタを上野はじっと見ている。
「それに・・・・塾やら何やら通って、大人の言いなりになってるガキもだ」
そう言うと、足元の空き缶をカン、と蹴った。
「なんだ、お前、結構明るいやつじゃん。いいやつ!」
笑いを含めて言う上野をケイタは驚いて見た。
「俺たち、気が合いそうだぜ」
そういって、ギュッとケイタの手をにぎった。