桃色アルバム
30分後。

川嶋以外の5人は、その場にぐったりと寝転んでいた。
クーラーがきいいている部屋の中で、ケイタの額には汗が浮き出ている。

「おい、大丈夫か?」
「ぜんぜん大丈夫じゃねえ」
「頭が爆発しそう・・・・・」
「集中力がもたないねえ」

ため息をつき、上野は天井をあおいだ。

「もとから勉強しないヤツがいきなり長時間できるわけねえよ」
「がんばりすぎたら狂っちゃうぜ」

ケイタも天井を見る。
吊るされている電球を見ていると、頭がボーとしてきた。

「寝るんじゃねえぞ、間宮」
そう言って渡部に頭をたたかれると、はっと我に返った。

川嶋はひとり、もくもくと宿題を進めている。

「なぁ、川嶋。写させてくれよ」
「ダメだ。自分でやれよ」

渡部が手を合わせると、あっさり却下された。

「ねえ、崎野って塾何時に終わるの?」

ゆりかが上野を見る。

「さぁ。5時くらいじゃねえの」

ケイタは時計を見た。
まだ2時だ。
たしか始まるのが1時だと言ってたな・・・・・・

「げっ。5時間もかよ」
「あたしだったら逃げ出すね」

さとこがペロリと舌をだした。
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