桃色アルバム
『当たり前だろ。悪いか?』
「だっておまえ・・・・高いじゃねえか」
『大丈夫だって。俺のおごりだ』

けろりと言う崎野に、ケイタは声も出なかった。

『で、どうなんだよ』
だれも返事を返さないのにイライラしているのか、崎野が早口で聞いてくる。

「・・・・・・本当にいいのか?」
『いいって言ってんだろ。俺んち医者だぜ。金はありあまってんだ』
「じゃあ、頼もうか。崎野がいると思う分だけ買ってきてくれよ」
『分かった』

そう言って、あっさりと電話を切った。

「ねえ、本当に崎野にオゴってもらっていいの?」
「本人がいいって言ってんだからいいんだろ」
「そうは言ってもなぁ・・・・」

ケイタはなんだか複雑な気分だった。
だが、そんな気持ちは次の川嶋の一言でふっとんだ。

「さて、そろそろやるか」
「おまえはそれしか頭にねえのかよ」
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