桃色アルバム
6時きっかりに崎野は川嶋の家にきた。

「えらく遅かったな」
「ナンパされてたのさ」

上野が言うと、にやりと崎野が笑った。

「ナンパしてた、の間違いだろ」
「失礼な」

ふたりのやりとりに、思わず見ていた連中は笑ってしまった。

「崎野。この袋はなんだよ」

渡部が花火と、もうひとつの袋を見ていった。

「ああ、菓子もあったほうがいいと思ってさ。花火、3袋でよかったか?」

崎野が上野を見ると、上野は首をふった。

「これだけでかかったら、じゅうぶん足りるさ。悪りぃな」
「なんてことねえよ」

それを見ていた女子がまた、騒ぎ出した。

「崎野、かっこいいとこあるんじゃん」
「男はこうじゃないと」

さとことゆりかにベタ褒めされ、崎野はすっかり照れた。

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