桃色アルバム
「遅いよ、男子」

ケイタたちが外に出ると、女子はもうロウソクに火をつけていた。

「おまえらが早すぎなんだよ」
「相変わらず気がはええな」

「女子はそういうものだよ」

そう言いながら、さとこが横にいたケイタに花火を渡した。

なかなか火が移らなくてイライラしていると、後ろから「見て見て」とゆりかの声がした。

「うぁっぶ!!!」
「あはははは」
「きゃはは」

見ると、さとことゆりかが笑いながら花火を振り回している。

「危なっかしいなおまえらは!!」
「ガキじゃねえんだから花火振り回すなよ」

上野がなんとか避けながら花火に火をつけた。

「ほら、ゆりか。花火好きなんだろ?もっと触れ合えよ」

崎野がニヤニヤしながら3つ同時に火をつけ、ゆりかに近づけた。
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