桃色アルバム
「ちょ、やめてよ崎野!!」
「おまえらだってやってただろ」

騒ぎながら崎野がゆりかを追い掛け回している。

「こら、近所迷惑だぞ」
川嶋が叱りながら、崎野の両手をつかんだ。

「何すんだよ、川嶋」
「おまえらはうるさすぎるんだ」

腕を振りほどこうとする崎野を、がっちりと固める。

「あんまり騒ぐなよ」
「・・・分かったって。マジで痛いから」

「さっすが川嶋。ほかの男子とは大違いだね」
さとこがジロリとこちらを見る。
ケイタは自然に視線をそらした。

「すげえ、川嶋。実はすっげえ力あるんじゃねえのか」

崎野がおさえている赤くなった手首を上野が横から見た。

「そんなことないよ」
川嶋は苦笑している。

そのとき、パンと音がした。

「きゃあああああ」

驚いてゆりかがさとこに飛びついた。
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