桃色アルバム
「あの、あなたは?」

ゆりかがおずおずといった感じで前に進み出た。


「すいません。私は前原ゆう。中学2年生です。肝試しと聞こえたので、つい・・」
「あの、ゆうさんは、肝試しに興味があるんですか?」

川嶋がやさしく聞くと、ゆうと名のった少女の顔がぱぁっと明るくなった。

「はい、大好きなんです。去年も、ここで肝試しをやるはずだったんです」
「じゃあ、頼んでもいいんじゃないの?」
「じゃ、チームわけだ。どうする?」
「くじびきでいいんじゃないですか?」


そう言って、きんちゃく袋からわりばしを取り出した。


「すごい、ゆうさん。用意いいですねー」
「去年入れてたのがそのまま入ってただけですよ」

照れながら、その中から8つだけわりばしを取り、あとはまた中にしまいこんだ。

「じゃあ、引いてください」

いっせいのーせ、で全員がわりばしを引き抜いた。




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