桃色アルバム
「じゃあ、行ってくぜ」

最初に出発したのは、ゆりか&渡部チームだ。

「ゆりか、ファイトだよ!」
「はぁ~い」

りんとしている渡部とはうらはらに、ゆりかはビクビクしている。
その2人が墓の奥へと進んでいき、少し進んだだけなのに霧がかかって、あとは木々で見えなくなってしまった。


ルールはこれまた定番で、墓場の太い道を進んでいくと、いちばん奥でこの中で一番太い、大きな木にぶつかる。
そこの根元にロウソクを置いてくるというかんたんなものだった。

ついでに、このロウソクとルールを決めたのは、ゆうだった。
去年やるはずだったものだそうだ。

「そういえば、ゆうさん」
川嶋がゆうのほうを見た。

「さっきから過去形なんですけど、去年肝試しはしなかったんですか?ロウソクも割り箸もそのままだったし・・・」

「ああ、いろいろあって、できなかったんですよ」

そう言うゆうは、どこか悲しそうで、ケイタはどきりとした。
川嶋は、何か考えている。

そんなとき、いきなりバンと背中をたたかれ、息がつまった。

「ほら、さっさと行っておいで!」
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