桃色アルバム
「あれだよな。なんだ、何も起きなかったじゃねえか」

ケイタは走り出そうとして、何かにつまずき、すっころんだ。

「おい、川嶋。足かけんなよ!!」
「おまえ、さっきから何言ってんだよ」

あきれたように見下ろしながら、手を差し伸べてくる。

「だって今、確かに足みたいなのが・・・」
「しらねえ」

手につかまり起き上がりながら、見渡す。

まわりには先ほどまでのように墓と木しかない。

「気のせいかな」

そう言いながら大木の根元に目線をおとすと、ふと気づいた。

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