桃色アルバム
「なあ、間宮。ここに来る途中に渡部たち追い抜かしてないよな」

川嶋も同じことを思ったのか、根元を見て首をひねっている。

「いや、そんなことはない・・・と思う・・・」
「じゃあ、何で・・・・あいつらのロウソクがないんだ?」


行きと帰りは別のルートだ。
最初あのふたりが入ったのは、ケイタたちと同じ道だ。
それは、みんなが見ていた。


「置き忘れたとか?」
「渡部とゆりかに限ってそれは・・・」

何かいいかけたが、すぐに川嶋は口をつぐんだ。

「とにかく、みんなのところに戻ろう。きっと、あのふたりも帰ってるさ」
「あ、ああ・・・・」

ケイタは何がなんだか分からないまま引っ張られて帰りの道を歩いた。
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