ちょっと、ひと息つきませんか？

　「あれ？さっきの客（ひと）はー？」
　「さっき帰りはったでー」
　「えー！？」
　「何が、''えー！？''やねん。そら、そうなるやろ？」
　「何で、引き止めとかなんだのよ！？せっかくのイケメンー」
　「知らんがな！！」
　「めったにないチャンスやったのに～」
　「何のチャンスやー」
　「また、来るかな～？」
　「また、来るとは言ってたなー」
　「ホント！？せやったら、今度来たら、絶対に帰らさないでね！！」
　「この店は、お前の⚪⚪引きの店と違うわー」
　「おじいちゃんっ本っ当に最低！！」


　　健太郎は、その後、度々店を訪れるようになった。しかし、結衣は学校が始まり会う機会は失われていた。後日、マスターはその件で罵詈雑言を浴びせられることとなる。
　　健太郎は、明るくよく笑い、よく喋った。それは、関わる人をも明るくさせる爽やかさがあった。ただただ人と話したい。楽しく接したいという思いが伺えた。