ちょっと、ひと息つきませんか?
 そういう彼だったので、異性どころか後輩としても視野にも掛けていない状態でただただ私に付いてくる言い方悪いですけど、金魚の糞くらいにしか思っていなかったんです。
 そんな彼がある取引先の会社へ行く途中でー
 「柏原さん、僕にこの企画、プレゼンさしてもらえませんか?」
 初めてでした。しっかりとした声でしたのでよく覚えてます。あっ私、柏原っていいます。柏原マキコ。すいません、遅くなって。別に言わなくてもいいのでしょうけど、聴いてくれているマスターに失礼かなと思ってー。あっその彼は''菅田 守''っていいます。
 で、どこまでいきました?
 そうそう、企画のプレゼンをしたいって彼が言ったことでしたね。すいません。
 正直、不安でした。今までの彼のことを聴いてくれたマスターでもそう思いませんか?
 だからというか、私は当然不安に思って
 「君が?大丈夫?言っておくけど、少しでも不安ならプレゼンをしない方がいいわ。これだとできそうかな?って中途半端な気持ちでやるのはなし。双方の会社に迷惑かけるどころか信用にも関わってくるの。私は、その責任を持って臨んでいるの。君にその責任を負える?」
 そこまで言われて彼は、しばらく俯いていたんですけど私のに面と向かって
 「できます。プレゼン、やらせて下さい」
 先程より、数段力の込もった声で言いました。
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