ちょっと、ひと息つきませんか?
 「わかった。任せる」
 私も覚悟を決めました。
 結果、プレゼンは成功でした。彼、私の仕事をずっと観てたんですね。で、いつしか自分でもやりたいと思ったそうなんです。自分で企画書を作成して上司に見てもらって修正したりプレゼンの仕方も教わったそうなんです。普通、直属の先輩は私なのに全く知りませんでした。理由は、私が忙しそうだったからですって。
 彼は、上手くプレゼン出来たのが意外ですか?ですね。確かに、企画書は今後も修正が必要ですしプレゼンも拙い所はありましたが一生懸命さや熱意って伝わるんですね。相手先の社長さんからも
 「いい後輩が育っていますね」
 って笑顔でおっしゃってくれました。
 驚きました。彼になぜ、プレゼンをしようと思ったのか聞きました。
 「柏原さんの役に立ちたい、頑張りたいってのもあるけど、あとこのままやと自分は、何の役にも立たないダメな奴になる思われるって…そんなん絶対嫌やって…ずっと思ってたんです。特に柏原さんにそう思われるのが嫌やったです。僕もできる、頑張れるって思われたかったんです、あれ何言ってんのやろ…すいません」
 顔を真っ赤にして早口で答えてました。何故、私のために?なんては聞きませんでした。それくらい、いくら私でも気付きますものー。
 こういう一生懸命で可愛いとこ見せられると、私にもあったんですね。母性本能。
 くすぐられちゃいました。
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