チョコよりも俺が欲しいのは
光輝は公園の中に入る前に缶コーヒーを買っていて、公園のベンチに座るとそれを私に手渡した。
「ほら、これでも飲んで温まれ。」
そう言った光輝は自分の缶コーヒーを一口飲んだ。
歩いてる間にいつの間にか流れていた涙は止まっていて、光輝に貰った温かい缶コーヒーを私も飲んだ。
「何があったか俺に話してみろよ?」
普段とは違い、いつもより優しい光輝に思わずドキッとしてしまった。
私はもう、意地はって強がる事は止めて光輝にさっきの事を話した。
「私は塾の帰りだったの。
ファミレスの前を通って何となくファミレスの方を見たの。
するとガラス越しに元彼が居て、そこには綺麗な女の人が一緒に居た。
きっと浮気相手だと思う。
別れた筈なのに胸が急に苦しくなって、別れた時は怒りのが強かったけど、仲良さ気に話してる二人を見て、元彼は私と過ごした日々すらもう過去の事なんだと思うと辛かった。
私達は幼馴染で、小さい頃は大好きなお兄ちゃんだったけど、私が中学生の時に元彼に告白されて付き合う事になったの。
小さい頃はよく遊んでくれてたし、付き合う前からの思い出も沢山あったし、付き合ってからは本当に幸せで凄く大好きだった。
だから浮気してるって分かった時はショックだったし、怒りしかなかった。
だけどいざ元彼が違う女の人と居るのを見て、今迄はそこには私が居たのにって嫉妬しちゃったんだ。
その時点で私は元彼を何処かで引きずっていて、まだ好きな気持ちが残ってたんだと感じた。」