チョコよりも俺が欲しいのは
私の話を最後まで黙って聞いていた光輝は、私が話し終えると口を開いた。
「そっか…辛かったな。
俺は莉奈の気持ちは痛い程、分かる!
莉奈も知ってるだろうけど俺はサツキの事が小さい時から好きだった。
転校しても忘れた事はなかったよ。
中学生になって何人かの女と付き合ったりしたけど、サツキと比べちまってサツキを忘れられなかった。
だからこっちに戻るって決まった時は本当に嬉しかったよ。
だけどサツキの隣には誠が居たし、それでも諦められねぇからぶつかったけど振られちまったしな。
諦めたつもりでも、誠とサツキが仲良さ気に話してるの見てるとやっぱり辛かった。」
そうだよね…光輝とサツキは幼馴染で、光輝はサツキをずっと好きだったんだよね。
何か私達って似てるのかな?
「でもさ、俺は今はサツキの事は吹っ切れてるし、それに気になる奴が居るんだよ。」
「気になる人?だから吹っ切れたんだ?」
「ああ!それに俺の気になる奴は目の前にいるしな?」
目の前…?
私はポカーンと間抜けな顔で光輝を見ていた。
「何だその顔?てか俺さ、莉奈と初めてサツキの家で会った時に、一目惚れだった!」
「えっ…?」
今、光輝は私に一目惚れしたって言ったんだよね?
「失恋したって聞いて、莉奈には悪いけど俺はチャンスだと思って嬉しかった。
それに好きな女にはつい意地悪したくなるから莉奈は怒って言い合いとかしたけど、ムカツク奴だと思われてもいいから莉奈と会話出来るのが嬉しかったよ。」
私は突然の光輝の私を好き発言に何も言えずにいた。
「元彼なんて忘れて俺にしとけば?
俺が莉奈を幸せにしてやるから!」
ドキッ
真剣な顔で光輝は私に言った。
まさかの告白に私は何て答えたらいいのかわからなかった。