チョコよりも俺が欲しいのは
「ってか俺と付き合えよ!
うんって言うまで離さない!」
そう言った光輝は突然、私を抱き締めた。
ドキドキドキ
何で光輝にこんなにドキドキしてんの私。
光輝は面倒くさい奴で好きじゃなかったし、私が光輝と付き合うとかあり得ないのにどうして何も言い返せないんだろ。
タクちゃん以外の男の人に抱き締められたのが初めてだからドキドキしちゃってるだけかもしれない。
落ち着いて莉奈!
いつもみたいに冷静になるのよ!
私は自分にそう言い聞かせた。
「は、離して!光輝なんかと付き合うわけないでしょ!」
「嫌だね!言ったろ?うんって言うまで離さないって。」
「何言ってんの?馬鹿なの?
離せ変態!!」
「何とでも言え!俺は何を言われても本気で莉奈が好きだし諦めるつもりもない!」
「あんたって本当にガキ!」
「ガキでも恋はするだろ?」
勝ち誇ったように言う光輝を殴ってやりたいと思った。
何だかさっきまでタクちゃんの事で泣いてた自分も何だかバカバカしく思えた。
そう思ったら何だか心がスッキリして笑いが出てきた。