NORA -広い空と、僕。-
「コトリ。」
「コトリ…?」
「つらかったね。
私とおんなじ」
「…え?」
「翼、ないでしょ」
「あ…ホントだ」
コトリは自分の左の翼があったところを
僕に見せてくれた。
「…今度は一緒に
幸せになりたいね」
「…うん。」
コトリは僕の手を繋いだまま
空を飛んでいる。
「ねぇ、どこ行くの?」
「幸せになれるところだよ」
「幸せに、なれる…」
「私たちは生まれ変われる。
絶対に」
「……」
…しばらく飛んでいると
ふわふわした地面へ着地した。
「ここだよ」
「…おかえり」
門らしきものの前に
白いキツネさんが立っていた。
「神様が、ずっと待ってたよ
アンタたちのことね」
「案内してくれる?」
「うん。」