青い瞳に映るもの

ゆきちゃんから少し離れたところで

袋に手を入れてみた。


ヌルッ…

嫌な感触だ。


ゆっくりと中身のモノに触れると、短めの毛のようなものが生えてる気がした。


僕は断念して答えを聞くことにした。


「ゆきちゃん、中身がわからないよ」


『もういい、貸して』



あっさりと袋を奪われてしまった。

『これで何かわかるでしょ?』


僕が慎重になっていたのがバカみたいに、乱暴に中身を地面に叩きつけるように出した。


心の中でソレが動物じゃないようにと願っていたのが一瞬にして崩れた。


「これって」

『猫だよ』


目の前で原型のとどめていない猫が転がっていた。


「なんで?」


なんで殺したの?
ゆきちゃんは一体何者なのだろうか?
目だけが日本人離れした青色で目だけがいつも笑っていなくて
髪は僕と同じ黒髪なのにどうして僕とこんなに持っている雰囲気が違うんだろう。


『このバカ猫が、ゆきを睨んだから』


ゆきちゃんの繊細な心に触れないように言葉を選ぶしかなかった。


「これ、どうするの?」

『ゴミ箱に捨てようかな?』


ゴミ箱に捨てる…?

中身を知ってしまってからそんな可哀想なこと、僕には出来ない。


「それじゃ猫も可哀想だよ。一緒に埋めようよ」


そのあとのゆきちゃんの反応なんて想像できなかった。
ふつうの子なら反省もするだろうし、頷くのだろうけど、とにかくゆきちゃんはふつうの子ではない。

15歳の幼い頭ながらにそう感じとった。


『可哀想ってなに?このバカ猫が可哀想って言ってるの?なんでゆうきくんはそんなことしか言えないの?もっとゆきのこと分かってくれると思った。ゆうきくんも口うるさい説教がましい大人になるの?量産型にしかなれないの?ゆき、そんなゆうきくんともう会いたくない。』

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