「先輩。」
聞いて失敗した。

聞くんじゃなかった。

「だ、誰にもいう、なよ!?」

龍貴さんはそう言って私に耳打ちした。

「ゆいか、だよ」

「ゆ…いか…?」

「美湖の友達の。門田結香。」

う、そ…

やっぱり聞くんじゃなかったよ

「そう、なんですか
ま、ぁ結香かわいいですしね」

そう言ってると私の頬に何かつたった。

私、また泣いてる

一度とまった涙がまた流れる。

わたし、結香にかなわない、よ

「ま、ぁこの気持ちに気づいたのこの間なんだけどね」
< 44 / 60 >

この作品をシェア

pagetop