「先輩。」
「来ないで。一歩でも来たらここから飛び降りる。
いますぐ教室から出て行ってよ!
お願いだから…一人にして…」

高所恐怖症の私はさっきからふるえが止まらない。

「わかった。わかったから…そこから降りてよ…」

「先に出て行って。…そう、それでいい…」

塀てきなところから降りようとしたら。

私は落ちないように体を支えていた手を滑らせてしまい…。

三階のベランダから落下。

「美湖っ!?美湖ぉぉぉっ!」

上からは結香の叫び声が聞こえる。

あぁ。

これか。

前に天使が言ってたやつは。

どんどん声が小さくなっていく。

私、死ぬの…?

頭を強く地面に打ちつけて。

…そこで私の意識は途絶えた。
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