ふたりの言葉。



「入るわよ」



優子さんはそのまま病室の扉を開けて入っていく。



私は、病室の扉の前で止まったまま。



だって……っ……。



「……母さんと……な、んで……琴?」



「わ……か、ば……若葉っ!!」



さっきまで震えていた足が嘘のように、走って若葉が転がるベッドへと向かう。


< 206 / 400 >

この作品をシェア

pagetop